クライマーズ・ハイや半落ちなどで有名な横山秀夫の短編集だ。
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刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
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長編で有名な作品が多い横山秀夫だが、短編集が実はすごく良い。
興味深いオープニング、きっちり回収される複線、スピーディな展開と、必ず用意されるどんでん返し。
また、通常はなかなか推理小説の主人公にならない看守や家庭調停委員などを取り上げ、大きな悩みを持つかれらに暖かい目を注いでいるその視点がすばらしい。
読後感もさわやか。
ただ、本作は完成度が上がりすぎたのか、という贅沢な疑問がわいてしまった。「第三の時効」などが持っていた胃をキリキリするようなエンディングへのもって行き方ではなく、ああ、やっぱりこう落ち着いてよかった、という形になってしまっているように感じたのだ。
これは横山秀夫の持つ人間に対する愛情がそうさせてしまっているのかもしれないし、或いは読み手の期待感が高まった結果、勝手にギャップを感じてしまっているのかもしれない。
いずれにせよ展開、文章、設定の完成度は高く、読んで損をすることはないだろう。
![]() | 看守眼 (新潮文庫) 新潮社 2009-08-28 by G-Tools |
↑3時間あれば読めてしまうし。
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短編集だと手に取りやすいしね。
僕でも読めそう。