「晴子情歌」「新リア王」に続く福澤家三部作(だろうか?)の三作目だ。続編はでないだろう、と思う。
晴子情歌は旧かな使いの手紙形式、新リア王は青森の政治の話を延々と続けるという読み手を選ぶ作品だったが、太陽を曳く馬もまた、とっつきにくい作品であることは間違いない。
テーマは伝統仏教とオウム、現代美術と殺人という難解なものであり、また「カラマーゾフの兄弟」の大審問官を彷彿とさせるような、僧侶によるオウム論争で一章を費やしたりしている。
合田雄一郎が登場しているため、一見して昔からのファンに対するサービスなのかと思わせるが、実は合田でなければ宗教や芸術に入り込める刑事がいなかったというだけであり、むしろこのことがこの本の読みにくさを表していると言えるだろう。
で、この本の中身に対する感想だが、書けない。
思うところは数多くある。面白かった。夢中で読んだ。考えさせられた。だがまとまらない。
今年は「1Q84」、「ドーン」と、現代を描いた日本を代表する作家の作品が発売されていると思う。太陽を曳く馬もその中のひとつとして評価すべきだと思うものの、どのように評価すればいいのかが分からないのだ。
おそらく、秋道のやるせない状況を受け止めることができないのだろうと思う。
しばらくしてから、晴子情歌から続けて読み直してみたいと思う。
その間はまともな社会生活は送れないだろうが。
![]() | 太陽を曳く馬〈上〉 新潮社 2009-07 by G-Tools |
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↑これは文庫ではなくハードカバーで読むべきだろう。
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君の解釈は間違ってないと思う。
高村薫って、ハードボイルドって印象があったけど、この本の書評を読んで、全然イメージが違う、って感じた。
全く話が変わるけど、最近の映像化の影響で山崎豊子を読んでみようかと思うんだけど、読んだことある?
沈まぬ太陽は読みました。勢いのある文章ですが、内容の客観性と公平性が著しくかけている文章で、それは事の正否をしらない人間が読んでも明らか。片方の正義に極端に偏った文章がどれほど醜いか、ということを味わうためには良い本だと思います。つまり嫌いな作家さんです。
個人的には太陽の季節と双璧をなす駄作二太陽。